これは、憲政の父・尾崎行雄の言葉です。
尾崎は74歳(満年齢)のとき、三重を遊説中に風邪をこじらせ中耳炎を併発。心身共に疲弊する中、まるで天からの啓示のごとく、突然この言葉が浮かび上がったといいます。
「昨日までは人生の序幕に過ぎず、今日以後がその本舞台。過去はすべて人生の予備門で、現在以後がその本領だと信じて生きる」―という人生観です。
知識や経験は、年を重ねるたびに増えていくもの。そして昨日までに得た知識・経験を、今日以後に生かす。昨日は今日のための、今日は明日のための準備・トレーニング期間だということです。
増え続ける知識・経験を、未来に生かし続ける―この発想は、年齢に関係なく、私たちの思考を常に前向きなものにしてくれます。
知識や経験に無駄なものなどありません。たとえどんなに大きな悲しみ、後悔、迷い、悩みであっても、考え方・生かし方ひとつで、次の一歩を踏み出すための大きな「糧」になります。一つの目標を達成したとき、それに満足して立ち止まるのではなく、その達成を、次の目標に向けた準備と捉える―やりがい、情熱が絶え間なく生み出され、気力がみなぎってきます。
「人生の本舞台は常に将来に在り」。
尾崎は政治家として、相馬雪香さんはNGOとして、それを体現しました。
私自身も、常にこの姿勢を心がけています。